こうした気がかりなことを理解するためのヒントを与えてくれるのがアセスです。
アセスは、子ども達の学校適応感を知り、必要な支援を行うことで誰一人取り残さない学級をつくることを目的として開発された「6領域学校環境適応感尺度」(Adaptation Scale for School Environments on Six Spheres)の略称です。
具体的には、毎日楽しく過ごしているか(生活満足感)、先生から支援されていると感じているか(教師サポート)、友人から支援されていると感じているか(友人サポート)、いじめなどで困っていないか(非侵害的関係)、人とうまくやっていくスキルを持っているか(向社会的スキル)、勉強に困っていないか(学習的適応)の6つの側面についての子どもの意識を測定しています。
結果表では、一人一人のデータも示されますし、学級としての状態も把握できます。
つまりアセスは、担任として「個人への取組」と「学級への取組」を考えるための情報を提供しています。
ポイントは、学校適応の重要な側面の全てについて、子ども達のSOSを把握できることです。
問題が顕在化していなくてもSOSのサインがつかめるので、問題が生じる前に早期対応ができるのです。
アセスは、開発当初、「データを元に自分で考えて欲しい」という考えから、あえて丁寧な説明をしていませんでした。
ただ、いまでは、日本で最も活用されている尺度の一つになり、利用される先生方が増える中で、「どう活用すれば良いか分からない」という声も聞くようになりました。
そんなとき、あるアセスを使用している学校で、数値的に危険な生徒がいたのですが、「どう活用すれば良いか分からない」ために「様子を見る」という対応になり、結果、自死を防げなかったという事案がありました。
そのことを知った私は、「もう少していねいなフィードバックをしていれば、あるいは違う結果になっていたかもしれない…」と心を痛めました。
そうした経緯から、今回、アセスの良さを残しつつ、もう少していねいな解説を加えたフィードバックシートを作成しました。
アセスは、全部で34問の質問でできています。
もともと、比較的短時間(10分程度)で実施できる尺度ですが、タブレットの普及によって、先生方の負担をほぼゼロにしつつ、費用も徹底的に押さえ込んだものを作れるようになりました。
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